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低用量ピルの認可から現在までのピルにまつわる話

低用量ピルの認可から現在までのピルにまつわる話

青がフランス赤が日本の合計特殊出生率
世界経済のネタ帳より

日本で低用量ピル(以下OC)が認可されたのは1999年9月のことでした。

OC解禁反対派からはピル普及による性感染症のまん延や出生率の低下が心配されていましたが、さて現状はどうでしょう。

性感染症のまん延はOCとは無関係に進んでいるように思えます。

日本の出生率は2005年から一時持ち直したようですが、2016年をピークに再度低下傾向となりました。これについてはフランスを例にとってお話ししましょう。

フランスも出生率の低下が進んでいた国の一つですが、1994年頃から出生率の回復を認めました。(フランスも2010年をピークに低下傾向となりました。)

OCの普及率は日本が2.9%、フランスが33.10%で、出生率は日本が1.36、フランスが1.86です(2019年度)。

フランスでは、人口を増やす目安となる出生率2.10の達成も近いと考えられていました。このようにOCの普及率と出生率についても関連はなさそうですが、それではなぜフランスでは出生率が日本より高いのでしょうか。

中島さおりさんという方が書かれた「パリの女はんでいる」という本(第54回日本エッセイスト・クラブ賞受賞)によると、フランスでは国の政策により、女性が子供を産んで育てるのに経済的にも社会的にも制度が整っていて、日本のように、女性が子供を生むか仕事を続けるかで悩むことがなく、フランスでは当たり前のように生んで、当たり前のように仕事を続けているのだそうです。

話をOCに戻しますと、先の中島さおりさんによると日本ではOCイコール「副作用」だが、フランスではOCイコール「女性の権利」であると。つまり、避妊は男性に頼らない、自分の体は自分で管理するという考え方だそうです。

また、彼女いわくOCを服用することによって、婦人科によく通うようになり、さらにOCを内服しても問題がないかの定期検査を受けることにより健康管理ができるとのこと。このため、OC服用後、婦人科の問題で悩んだことがないそうです。

ピルの認可から2024年の現在までの25年間で日本では今もピル普及率は5%を超えていません。

OCは避妊にも月経痛やPMS改善にもとても有効です。日本の女性ももっと OCのいいところを知って、使いこなすようになればと思います。