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子宮頸部異形成

子宮頸部異形成とは

子宮頸がん検査の結果は大きく分けて、「正常」、「異形成」、「がん」に分類されます。

この中で「異形成」とは聞き慣れない言葉だと思います。

子宮頸がん検査では細胞の形の変化を顕微鏡で調べます。「異形成」とは細胞の「」が正常とは「なった」状態で「り立っている」状態です。

「異形成」は、子宮頸部の細胞がHPVヒトパピローマウイルスHuman Papilloma Virus)というウイルスの感染によって起こりますが、「がん」とは違い悪性腫瘍ではありません。

子宮頸部の細胞にはマクロファージというウイルスの侵入を監視する細胞が存在し、マクロファージと免疫細胞の連携によってHPVが排除されれば、細胞は正常な状態に戻ることができます。

子宮頸部異形成の分類(CINの分類)

HPVに感染して細胞異型を起こした細胞の多さにより異形成はさらに「軽度」、「中等度」、「高度+上皮内がん」と3つに分類されています。

これらは、子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia : CIN)という概念で、それぞれCIN1、CIN2、CIN3、と分類されます。

● 子宮頚部軽度異形成(CIN1)

CIN1の60%は1年~2年の間で自然消失して行きます。10%は進行していきます。

● 子宮頚部中等度異形成(CIN2)

CIN2の40%は1年~2年の間で自然消失して行きます。20%は進行していきます。

● 子宮頚部高度異形成+上皮内がん(CIN3)

CIN3の20%は1年~2年の間で自然消失して行きます。30%は進行していきます。

1972年の少し古いデーターですが、慶應大学の栗原教授らの報告によると、CIN3(疑がん性異形成上皮)と診断された32例を1年以上追跡調査したところ、16%が消失し、53%が持続し、31%が上皮内がん以上の病変に進展したと報告されています。

研究データーによって CIN 3から浸潤がんへ進展する頻度に多少の差はありますが、CIN3であっても必ずしも浸潤がんに進展するわけではないことが分かります。

しかしながら、浸潤がんに至った場合の標準的治療は「広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清」となっていることから、浸潤がんになる前に検査と治療をすることが大切だと考えます。