新横浜駅徒歩1分の婦人科クリニック 低用量ピル・子宮頸がん検査・生理のお悩み検査・治療
横浜市港北区新横浜3-6-1 新横浜SRビル5階
JR/地下鉄ブルーライン
新横浜駅 徒歩1分
045-471-3385
HPV(ヒトパピローマウイルス) は、性交渉で感染する非常にありふれたウイルスです。性経験のある女性の50~80%が一生のうちに感染しますが、その90%は2年以内に自然に体から排除されます。
問題は、ウイルスが体に残り続ける「持続感染」の場合です。この状態が続くと、子宮の入り口(子宮頸部)の細胞が変化し、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍) という前がん状態になることがあります。
CINは軽い順に:
CIN2と診断された場合、医師は難しい選択を迫られます:
そこで重要なのが「どのHPVタイプに感染しているか」を調べることです。
(1年以上CIN2が持続している場合は保険適応になりますが、それ以外は自費となります。)
日本は先進国でありながら、子宮頸がん対策に課題があります:
このため、HPVジェノタイプ検査による個別のリスク評価が重要です。
HPVジェノタイプ検査を受けて、感染しているHPVの型を特定する
CIN2からCIN3への進行リスクは、感染しているHPVタイプによって大きく異なります。特にHPV16型は進行が速いといわれ注意が必要ですが、それ以外のタイプなら経過観察も選択肢になります。HPVジェノタイプ検査を受けることで、自分に最適な治療方針を決めることができ、不要な手術を避けたり、必要な治療を適切なタイミングで受けたりすることが可能になります。
HPVについて詳しくはこちらをクリック
アクセスと診療時間
HPV16型の卓越したリスクと有病率に関する論文
論文名:"Human Papillomavirus Genotype Distribution in Cervical Intraepithelial Neoplasia Grade 2/3 and Invasive Cervical Cancer in Japanese Women"
著者: Onuki M, et al.
掲載誌:Japanese Journal of Clinical Oncology (2014)
内容: 日本人女性のCIN2とCIN3におけるHPVタイプの分布を詳細に分析し、CIN3においてHPV16型の有病率が著しく高いこと、そして進行リスクを示す有病率比が統計的に有意であることを明らかにしました。
各HPVジェノタイプ別の詳細な進行リスク(ハザード比)に関する論文
論文名:"Predicting the progression of cervical precursor lesions by human papillomavirus genotyping: a prospective cohort study"
著者: Matsumoto K, et al.
掲載誌:International Journal of Cancer (2011)
内容: 日本人女性の前向きコホート研究を通じて、HPV16型、31型、33型、52型、58型など、特定のハイリスクHPVジェノタイプがCIN3へ進行するリスクをハザード比として具体的に数値化しました。
CIN3への進行速度に関する論文
論文名:"Time to progression from CIN2 to CIN3 according to HPV genotype categories in Japanese women"
著者: Yamaguchi M, et al.
掲載誌:Journal of Obstetrics and Gynaecology Research (2021)
内容: HPVジェノタイプによってCIN2からCIN3への進行速度が劇的に異なることを示しました。特にHPV16/18型陽性者では50%が進行するのに要した時間がわずか11ヶ月であったことを報告しています。
CIN2の自然史(進行・持続・退縮の割合)に関する論文
論文名:"Regression, persistence, and progression of untreated cervical intraepithelial neoplasia grade 2: a systematic review and meta-analysis"
著者: Tsilidis KK, et al.
掲載誌:BMJ (2017)
内容: 多数の研究を統合したメタアナリシスであり、治療しなかった場合のCIN2病変の2年後の転帰(約50%が退縮、18%が進行)に関する信頼性の高いデータを提供し、レポートの背景説明の根拠となりました。
アクセスと診療時間